エンジニアの転職には欠かせない書類である履歴書。 「読みやすい文章の履歴書」と言うのは、世間一般で言う「正しい履歴書の書き方」とは少しニュアンスが違います。 確かに、履歴書のマナーにのっとってしっかり記述するのは大切なことです。 しかし、マナーだけを意識して履歴書を書いているエンジニアは、1度自分が面接官になった気持ちで、その履歴書を読み返してみましょう。 自分が面接官の気持ちになれば、そのマナーだけを意識した履歴書に、どんな要素が足りていないのか、徐々に分かってくると思います。
「読みやすい履歴書」の認識をしっかり確認しておこう
面接官は確かに、履歴書のマナーについても厳しくチェックしています。
その上で、しっかり氏名や住所などの基本情報もマナー通り書かれている、エンジニアとしての資格もいくつか有している、という風になれば、次に面接官はどういうところに着目するでしょうか?
それは、「あなたを雇うことで会社にどんなメリットがあるのか?」というポイントです。
採用に繋がりやすい履歴書
履歴書としてのマナーが申し分なく、エンジニアとして活かせる資格・経験も豊富で、エンジニアには必要不可欠とされている、コミュニケーション能力も持ち合わせている。
となれば、あと面接官が考えることは、「この人材を会社のどこで生かそう?」という流れになってきます。
例えば、プログラム言語をたくさん知っていて、それらを生かした経験も豊富なのに、その会社が求めている資格だけを、唯一持っていないとしますよね。
そうなってしまうと、残念ながら面接官に「会社に必要な人材ではない」と判断されてしまう可能性があります。
普通に考えると、多くの資格や言語の知識を持っているエンジニアというのは、会社にとって必要で貴重な存在なのですが、そのときの募集要項にそぐわないエンジニアは、経験や履歴書のマナーを考慮されずに、不採用になってしまうということが考えられます。
つまり、「面接官が読みやすい履歴書」というのは、「採用に繋がりやすい履歴書」でもないといけないということが言えます。
ということは、エンジニア側から、「自分は会社の戦力になりますよ」というのを、アピールしていく必要があるのです。
「面接官が文章に集中できる履歴書」を書くのが最低限のマナー
履歴書においては、自分のアピールを「しっかりした文章力」で行うのが最善の策です。
職務経歴書のように、自分のアピールポイントや職務経験を、詳しくアピールできないからこそ、「文章力」で勝負するのが履歴書です。
例えば、基本的な氏名、住所の書き方。
このような、エンジニアでなくても書いたことがあるような基本的な項目は、書き方を中途半端に知っているからこそ、油断して差が出やすいと言われています。
例えば、履歴書の作成年月日などを書き忘れたり、ずっと前に作成したときの古い年月日が記載されていたりなどです。
意外と見逃しがちな項目で、エンジニアとしての前に社会人として、「きちんとしている」という印象にはなりませんよね。
そして氏名、住所のふりがなの部分ですが、履歴書の欄にひらがなで書いてあればひらがな、カタカナで書いてあればカタカナで書くのが基本です。
このように、1つ1つ思い返してみると、この段階で自分の履歴書に、不備があったと気付いたエンジニアもいるのではないでしょうか?
自分をアピールすることを考えるあまり、そして「履歴書のマナー=印象の良い文章」ということだけを考えていると、思わぬところに落とし穴が待っています。
せっかく努力して考えた文章を生かすためにも、ケアレスミスをなくして、面接官に「文章に集中できる履歴書」を提出しましょう。
いくら読みやすくても、細かいミスが目立つと、文章内容があまり入ってこないというんのが、面接官というものです。
面接官が、能力を判断しやすい「職歴・資格」
学歴や職歴は、エンジニアにとって最重要項目です。
まず職歴ですが、転職の回数が多い場合、内容をどれくらいにするのか考えて書くようにしましょう。
あまりにも短期間で転職しているという状況が続いてしまうと、面接官はあなたの経験を把握しにくくなり、「長続きしないタイプ」という風に認識してしまうかもしれません。
嘘をつくことはもちろんしてはいけませんが、出来るだけ「エンジニアの経験を生かした」というアピールができる職歴を書くように心がけましょう。
資格や免許も同じです。
面接官は、「エンジニアとしてどれくらいの資格があるのか」ということを考えて、資格・免許の欄をチェックしていきます。
その合間合間に、エンジニアと直接結びつかない資格を挟んでしまうと、エンジニアとしての資格も多いとはいえ、1つ1つの印象が薄くなってしまいます。
エンジニアとしての資格を多く取得している場合は、関係ない資格を省いて、とにかくエンジニアとしての能力をアピールできるように、エンジニア関連の資格でまとめるというのも、戦略の1つでしょう。